「行ったことないのに何度も行った場所」と「夢十夜」
こんにちは!
突然ですが、「行ったことのない場所に何度も行ったこと」ってありますか?
「行ったことのない場所に何度も行く」ってそりゃ記憶力が金魚並みにないんじゃないか、と思われるかもしれませんが、違います。なぜならこれは夢の中での話だからなのです。
今回はお題に沿って、もしかしたら私だけかも?ということを書きます。
吹き抜けの水族館
私が夢の中でよく訪れる場所、ひとつ目は大きな水族館です。
夜、顔の見えない相手と連れ立って大きな建物の前に着きました。ここに行くときは決まって夜です。
中に入ると、たてに長い吹きぬけ構造の水族館(大阪の海遊館の真ん中をくりぬいたみたい)で、大小さまざまな海の生きものたちが縦横無尽に泳ぎ回っています。ラムネの真ん中のビー玉を覗いたときとか、万華鏡の中に似てる。
始めは魚たちをただ眺めているでしたが、気づくと足元が水びたしです。なんで?と思ったのもつかの間、その水族館が大きなプールに変わっていました。
海を模したそのプールは、浅瀬から沖合へと向かうにつれて水深が深くなっています。
私はそのプールの浅瀬に座って、はるか頭上を泳ぐ魚たちを見ます。
ちなみにこの時、私はいつも誰かと一緒です。その子は、幼馴染の子に似ていたり、昔好きだった人に似ていたり、見るたびに変わります。ここに行った後の朝は、その人のことを思い出していろいろ考えたりします。
高層ビル
私がよく行く場所、ふたつ目は高層ビルです。
高速道路を走っていると、だんだん大きな建物が見えてきました。ビルです。
それは、ありえないような建て方をされていて、日本の人口ピラミッドみたいな形です。カラフルな看板がびっしり、本当にびっっしり付いていてガラスの内側は見えません。
中に入ってみると暗くて、これだけ大きいビルなのに人がいる気配が全くしません。自分の足音ばっかり大きく聞こえて、ホラゲーみたいな雰囲気
そしてどんどん階段を降りて行きます。なぜかは分かりません。どんどんどんどん降りていくと、
人がいました。
ざわざわしています。なにかを見ているようです。なんだろう、私も見たい
グッと背伸びして見てみたら
これがいました。
寝起きに殴り描きしたので汚くてごめんなさい。
水を張った水槽の真ん中に足場があり、それはそこにいました。切断されて中身が見えているようですが生きていました。口をパクパクするたびに、そこからのぞく牙が白く光って見えました。すごく怖かったけど目が離せなくて、じーっと見つめました。寝起きはもっとはっきり覚えていたはずなのに、時間が経つにつれてぼんやりしてきてしまいました。少し寂しい
わけの分からない生きもの、それを展示する人、そしてそれを見る人
薄暗く奇妙な空間の中で、三者の関係性がくっきりと浮かびあがるようでした。
ここは以前にも行ったことがある気がしますが、この生きものは初めて見ました。
以上が私の「行ったことないのに何度も行った場所」です。残念ながら最近は行けていませんが、この記事を書いていたらすごく行きたくなってきました。どちらの場所も「水族館」の要素を持っているのが興味深いです。日頃から「魚になって水中に住んでみたい」とか思ってるからでしょうか。
あと、書いてるうちに高校生の時に読んだ夏目漱石の「夢十夜」を思い出しました。ひとつひとつの話が綺麗で、不思議で、読んでいてとても引き込まれたのを覚えています。「夢十夜」と一緒に収録されてた「文鳥」も好きだったなあ。もう一度読み返してみようかな